第83話「ホットスポット」百物語2013目次

語り:ふーわ
268 :代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX:2013/08/24(土) 05:47:38.97 ID:hqzLBEKk0
【第八十三話】ふーわ様 『ホットスポット』
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我が家の2階にあるフローリングの床の一部。
畳4分の1ほどにも満たないスペース。
このスポットがなんだか不思議なんです。

そこに耳をあて昼寝すると、かなりの確率で何かが聞こえる。
雑踏の中にいるようなざわざわした音だったり、人声だったり…。
それらは怖くは感じないし、何故か心地良い。
最初は1階や近所の音を拾ってるだけなのかなって思ってたんだけど、
あるとき聞こえたのが、鳥のさえずりやせせらぎの音。
マイナスイオンたっぷりなとても気持ちのいい自然環境音。
もちろん1階にそんな自然が存在するはずもなく、
我が街は、近隣に自然なぞ残っていない住宅街。
家中のテレビやラジオなどの音の出る物は全てオフ状態。

一体何の音なんだろう?
それにしてもあの自然環境音は心地良すぎる。
あんなの今まで現実の自然の中でも、テレビですらも聞いたことがない。
もしかして、あれこそが「あの世(天国)」の環境音なんじゃ?
そうだとしたら、あの素晴らしい心地良さも納得できる。

…なんて思ってたら、
そう言えば、その床の部分は壁に近く、家具などの配置の都合で
そこに耳を当てるにはどうしても北枕になる。
ってことに気づいた。
北枕って風水的には浄化の作用があると言われてるのも
まんざらじゃないなぁ。

【終わり】