第1話「母親」百物語2013目次
語り:◆ygcFPa2oZQ
- 6 :「母親」1 ◆ygcFPa2oZQ:2013/08/23(金) 21:02:55.79 ID:7KvFnp3Z0
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これは自分が、小学5年生も終わりに近づいた2月か3月の時の話です
その頃小学校が終わるとダッシュで帰宅し、当時ハマってたSFCのFF5を夕食までプレイするのが日課でした。
ある日いつものように友達と遊ぶこともなくダッシュで帰宅すると、家には誰もいません
『じいちゃんもばあちゃんも近所にお茶でも飲みに行ってんだろーなー』と、特に気にすることもなく2階にある自室に行き
FFの続きを夢中でプレイしていました
当時母親は昼間仕事をしており、だいたい6時半頃帰宅~夕食準備~7時頃夕食~夕食最中に父親帰宅
というのが我が家のパターンで、その日も必死でレベル上げをしてると6時半頃になり、ガラガラっと玄関の開く音がして母親が帰ってきました
「ただいまー」
「おかえりー」
「またゲームー?」
「おーう」
「じいちゃんとばあちゃんはー?」
「知らーん、また近所でお茶じゃない?」
階段下からの母親の呼びかけに適当に返事をすると、「ふーん」とか言いながらパタパタと台所に入っていく音がしました
再びゲームに没頭していると
「おーい、ご飯ー」
時計を見ると7時を少し過ぎたところ、今日はここまでかーと、セーブをして部屋を出ようと扉を開けた瞬間
ブーーーーンブーーーーーン!!って、耳元にアブでも飛んできたかのような凄い音がしました
「うわあ!!」っと、声を上げて必死に頭の周りを手でパタパタしてると音がピタッと止んで
ガチャン
誰もいないはずの後ろ、つまり部屋の中から音がして消し忘れた部屋の明かりが一つ小さくなりました
??!・・・自分の部屋の灯りは昔からのガチャガチャ式で、本体の下に50センチ程の紐がぶら下がっています
つまり、いま自分の部屋で自分以外の誰かが明かりを消した・・自分のすぐ後ろで
ガチャン、ガチャン
続けて二回音がして部屋が真っ暗になりました
「うあああああああああああああ」もうね、パニックです。転がるように階段を下りて真っ暗な廊下をぶつかりながら走って「おかあああん!おかあああん!」って
(続く
- 7 :「母親」2 ◆ygcFPa2oZQ:2013/08/23(金) 21:04:47.97 ID:7KvFnp3Z0
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続き
台所に飛び込むと、真っ暗、
「??」とりあえず何が起こってるのかわからない
台所はシーンとしてて明かりが点いてない、シンクに食材も無い
母親は帰ってきていない。
足元から頭の先まで鳥肌が立っていくのを感じました。
そのまま台所横の勝手口から外に飛び出して、母親が車を止めてる駐車場に行き半ベソをかいていると
7時半頃に母親が車で帰宅
どうやらその日は急な残業で一時間ほど帰るのが遅れたそうです。
結局自分の部屋の明りを消した『何か』も、母親のフリをして会話をした『何か』も、その時は分からずじまい
その現象はその後自分が中学に上がるまで3、4回ありました。
今、自分も大人になり人の親になって、「あー・・・もしかしてあれって・・・」と思うところはあるけど蛇足になるので伏せておきます
(了)