第85話「再会」百物語2013目次

語り:妖狐 ◆YEG17px67
275 :代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX:2013/08/24(土) 06:01:14.17 ID:hqzLBEKk0
【第八十五話】妖狐 ◆YEG17px67様「再会」

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私の父が亡くなったのは一年半ほど前なのだが、未だ骨を墓に入れて居らず、居間の隅っこの母の枕元にドーンと骨壷が置かれたままである。
それでも特に文句を言いに化けて出ても来ないのだから、なかなか物分かりの良い親父だ。
…と思っていたのが先程まで。

私が自室で今宵の百物語を楽しんでいたところ、居間にいる母から電話が。
別に怪奇現象が起きたのでも何でもなく、単に夜更かしにも程があるという文句の電話だ。
パソコンでゲームをしている人に言われたくねぇよ、とは恐ろしくて言えずハイハイと右から左へ受け流していたのだが。
途中から、何かブツッという音と男性の声がする。
ゲームの音ではない。
「あのさ、テレビつけてんの?」一応聞いてみた。
言ってる間にも聞き覚えのある誰かさんの声がする。
「いや、つけてない」
答える母の声に被さるフガッという声。
モソモソして聞き取れないが間違いない、親父だ。
しかも何かキレている。確実に。
どっちも何やっとんねん、と文句でも言っているんだろう。
清々しいほど怖くないが、とりあえず2人(?)に謝って相変わらずこの百物語を楽しんでいる。

皆さんの周りでは、おかしな事は起きていませんか?
この百物語のおかげで、大事な人との感動的な再会を果たせた人もいるかもしれませんね。
ちなみにこれを打っている今、私の部屋ではラップ音が飛び交っています。
間違いなく親父です。迷惑です。
感動的な再会とは程遠いですが、百物語ってやっぱり降霊術なんだなぁ、としみじみ実感しております。
皆さんは…大丈夫ですか?

[了]