第67話「占い師の話・正体」百物語2013目次

語り:飛び入り ◆kT8a8E4J7s
223 :代理投稿 ◆YJf7AjT32aOX:2013/08/24(土) 04:20:41.84 ID:hqzLBEKk0
【第六十七話】 飛び入り ◆kT8a8E4J7s 様 「占い師の話・正体」

知人の話。

よく当たる占い師がいるという。
黙って座ればピタリと当たる、というやつで、いろいろなことを言い当てる。
世の中にはあいまいなことを言ってお茶を濁す占い師も少なくないが、
知人は、座っただけで大学受験の受験校とその合否をすべて言い当てられたという。
「それが3千円なの。ぜひ行ってみて。」

それは行ってみなくては、と思っていたが、
その話をよそでしてみたら、こんな話を聞かされた。

「あの占い師さん、前は普通の勤め人だったの。
でも奥さんが死んでね。それ以来占いを始めたんだって。もう3年くらい?
その占い師さんがいうには、死んだ奥さんが隣でなんでも教えてくれるんだって。
それで当たるの。すごいわよねえ」

え?じゃあ占い師の奥さん、ずっと成仏してないってこと?

死人が囁く占い。
もうそこに行く気はなかった。

(了)